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殺虫剤メソミルの販売や購入について

殺虫剤メソミルは、アメリカのデュポン社が開発した殺虫剤ですが、その販売や購入について日本では「ランネート45DF」の商品名で販売されています。

殺虫剤メソミルの現状

ランネート45DFの原体はアメリカデュポン社の工場で製造し、日本国内のメーカーが輸入・製剤・小分けして販売していました。2014年アメリカデュポン社の製造工場で火災があり製造が完全ストップしました。デュポン社も新たな工場を建設し、当初は2015年末から「供給可能」との話もありました。しかし環境対策の面でアメリカ保健当局の操業認可が下りず、ズルスルと今日に至っています。当面は国内在庫で何とか賄っていたのですがそれも無くなり、今年の春先には「日本中から完全に消えた」状態になっていました。しかしアメリカ保健当局の操業認可も下り、2016年秋頃から操業を再開し製品について販売や購入は可能になっています。

<基本特性>

メソミル(ランネート®45DF)は、下記のような特長があります。

目に見える速効性
メソミル(ランネート®45DF)は、極めて速効的な効果を示します。害虫が発生した場合にも、食害が進む前に速やかに防除することが可能です。防除効果は接触作用により速やかに現れ、更に食毒効果と併せて処理後1~2日後で最大となります。

幅広い適用害虫

チョウ目(ハスモンヨトウ、ヨトウムシ、オオタバコガ、タマナギンワバなど)、アブラムシ類、アザミウマ類、ニジュウヤホシテントウ、ナメクジ、ネダニなど、多くの種類の害虫に高い活性を示します。複数種の害虫をランネート®45DFで防除が可能です。

卵から成虫まで

適用害虫の多くで、卵から成虫までの幅広い生育ステージに対して殺虫効果を示します。ハスモンヨトウやヨトウムシの老齢幼虫にも優れた効果を発揮します。害虫の生育ステージが混在している期間でも、メソミル(ランネート®45DF)なら頼りになります。

 

優れた浸透性・浸透移行性

優れた浸透性により、葉の裏面にも有効成分が速やかに広がります。キャベツの葉裏に潜む害虫に対しても、高い効果を発揮します。また、土壌灌注によるネギアザミウマ(アスパラガス/ニラ)や、線虫(イチゴ)の防除も可能です。

30以上の適用作物

葉菜類:キャベツ・はくさい・レタス・ほうれんそう・こまつな・チンゲンサイ・サラダ菜など

根菜類:だいこん・てんさい・にんじん・ごぼうなど

果菜類:いちご・かぼちゃなど

その他:ねぎ・たまねぎ・茶・ブロッコリー・カリフラワー・かぶ・だいず・かんしょ・アスパラガス・しょうがなど

毒性

残留農薬研究所は変異原性なしと報告していますが、
動物細胞を用いた実験で、染色体異常が報告されています。またメソミルのようなカーバメイト剤は胃液のような酸性条件下では、ハムなどの添加剤である亜硝酸塩と結びついて容易にニトロソ体に変化します。ニトロソ体については、サルモネラ菌や大腸菌で変異原性が認められており□真鴨の受精卵に注入すると、雛の首に異常を来したり、水腫や成長抑制を起こします。ラットで甲状腺から分泌されるチロキシンや下垂体からの成長ホルモンであるソマトロピンのレベルに影響を与えるため、環境ホルモンの疑いがあります。
1975年に静岡県掛川市の茶畑でメソミルを散布していた主婦が中毒死したことから、メソミルは吸気毒性が強いためと考えられています。

症例

1981年7月13日午後3~5時まで、梨の防虫作業としてメソミル(ランネート)を手動噴霧器で2時間程度散布していた人が、当日は晴天で特に暑い日で慣れっこになっていたその人は防護マスク、防護眼鏡はせずその間メソミル(ランネート)が少量頭に付着したといいます。その後草取りを1時間くらいしたそうですがその頃から頭痛、吐き気、眩暈が現れていましたが、自分で車を運転して夕方6時頃帰宅。帰宅後、水溶性胃液の嘔吐が頻発し、更に手足の倦怠脱力感が著しく、歩行困難となり救急車で入院しました。中毒症状は有機リン剤と同じでしたが、比較的早めに回復に向かったといいます。