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ES細胞 iPS細胞 違いについて

ES細胞iPS細胞の 違いについて書いてみました。ES細胞 iPS細胞はどちらも「万能細胞」と呼ばれており、いま再生医療の分野での応用においてもっとも期待されている素晴らしい医療技術です。


ES細胞から、人の小腸と、ほとんど同じ動きをする約1cmの「ミニ腸」を作り出すことに成功!


ES細胞とは?

1.ES細胞の多能性と再生医療への期待

ES細胞は、ヒトの胚性幹細胞(はいせいかんさいぼう:< embryonic stem cells>)から作られています。作り方は、受精後5 ~7日程度経過したヒト胚の一部から取り出された細胞を、特殊な条件下で培養して得られます。

 

ES細胞は、マウスからのES細胞を1981年に樹立し、ヒトのES 細胞は1998年11月にウィスコンシン大学の研究者により樹立されました。

 

2.ES細胞の特徴

ES細胞は、神経細胞や血球細胞など様々な種類の細胞に分化することができる多能性があり、ほとんど無限に増殖できるという高い増殖能力を持っています。ただ一方、ヒトの生命の萌芽である胚を滅失させるということから倫理的の問題と拒絶反応が起こる可能性があるところが問題点といわれています。

 

またES細胞の最大の特徴である分化 は、 元の、ヒトの胚性幹細胞から作ったES細胞とは全く違うものに変化できる点で、神経や筋肉、血液中の細胞のようにそれぞれが固有の機能を持つ細胞にかわることができ完全に独立した働きをすることができる臓器等になります。


3.ES細胞の多能性と再生医療への期待

病気や事故等で失われた細胞を補填し、組織を修復する新しい治療法(再生医療)へのヒトES細胞の応用が期待されています。


糖尿病の治療の例

糖尿病とは、血糖値を下げるインシュリン産生能が低下することが原因となり血糖値が上がる病気で、進行すれば、高血圧、動脈硬化、心筋梗塞、失明等を引き起こす大変怖い病気です。

 

糖尿病のマウスにマウスES細胞由来のインシュリン産生細胞を移植すると健康なマウスへと回復します。


治療が期待される分化ES細胞

 

パーキンソン病⇒ドーパミン産生神経細胞

半身麻痺⇒神経のもととなる細胞

心筋梗塞、心筋症⇒心筋細胞

 

糖尿病⇒インシュリン産生細胞

肝機能障害⇒肝臓の細胞

肝臓の細胞⇒骨を作る細胞

 

筋ジストロフィー⇒筋肉のもととなる細胞

白血病⇒造血幹細胞

火傷などによる皮膚損傷⇒皮膚の細胞

 

これらの、病気の治療に応用が期待されています。

 

 

 

ips細胞とは?


もう一方の万能細胞と呼ばれているips細胞ですが、「万能」つまり「どんな細胞にでもなる」という意味です。様々な病気や怪我、体の悩みを解決出来る術になる再生医療の分野において大きな期待を寄せられています。

 

ES細胞と同じく「万能細胞」と呼ばれており、髪の毛や皮膚、臓器などをなんでも作れるようになります。

 

iPS細胞を使ってなにが出来るか?

 

再生医療の分野で治療に使うことで、今まで治せなかったどんな病気でも治せる時代が見えてきます。


緑内障など目の病気や、純粋に視力を上げることだって角膜、網膜の細胞を作り上げることで可能にしますし、また細胞は分裂させることが出来るので、ちょっとの血液で心臓などの臓器を作り上げることも出来るようになるかもしれません。

 

病気以外には薄毛治療などの悩みも解消出来ますね。個人的にはここに注目していますが、機能しなくなった毛根を復活させて発毛されることが出来るようになります。

 

また、細胞から精子や卵子を作ることも出来るので、不妊治療、同姓愛の方でも子供を作れるようになるような未来が来る可能性が期待されています。


ES細胞との大きな違いiPS細胞だけのメリット

 

iPS細胞は、ES細胞にはない「万能細胞」として最大のメリットがあります。それは、自分自信の細胞を使えるということです。

 

例えば今までは移植手術というものがありましたが、他人の臓器をすんなり使えるかというとそんなことはなく、拒否反応がでたり正常に働くのかも分かりません。

 

また、移植してくれる相手がいないとどうにもなりませんし、他人の臓器を自分の体に移すという事自体無理があるとも言われています。

 

しかし、iPS細胞は、自分自信の細胞を使います。自分の細胞を使って自分に移植するために拒否反応もありませんし、また気持ち的にも抵抗はありません。また、ドナーの必要もなくなります。

 

移植手術の失敗や、ドナーが少なくて移植が出来ず間に合わないといった問題は今でもたくさん起こっており、これらの問題が解決できる可能性がiPS細胞の大きな特徴です。


ips細胞の問題点

夢のようなips細胞ですが、実用化するにはまだまだたくさんの課題があります。

また、本当に出来るのか。どれだけの実験が必要なのか。安全性は?などあげていったらキリがありませんが、なにより大きな課題が、スゴすぎる故のリスクです。

 

細胞を精子や卵子にも変えることが出来る点からいうと、例えばあなたの髪の毛一本あれば、そこから精子を作り子供を作ることも可能になってしまうかもしれませんし、少量の細胞でもそれを分裂させることが出き、技術が進んでしまえばまさにクローン人間をつくることもできます。

 

期待する反面、どうなってしまうのかと思う点もありますが、しかしやはりたくさんの病気を治してたくさんの命を救えるiPS細胞。一刻も早く実現、実用化を願うところです。