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レセプト債 破綻 理由 について

レセプト債 破綻 理由 について書いてみました。医療機関の診療報酬請求権を買い取り証券化した、「レセプト債」。それを発行していた運用会社が破綻するという事件が発生しましたが理由はいったい何だったのでしょうか?

 

現代は、あらゆるものを「証券化」することが可能に

 

レセプト債とは?

 

現在の日本の医療保険制度(いりょうほけんせいど)は、原則すべての国民が何らかの公的医療保険(こうてきいりょうほけん)に加入することを義務づけ、お互いの医療費を支え合う「国民皆保険制度(こくみんかいほけんせいど)」になっており、

 

 

病院で診察や治療を受けても、3割の自己負担額を払うだけで、自分の医療費をカバーすることができるようになっており、実際に私たちが病院に行って支払ったお金は治療費全体の3割に過ぎず、残りの7割は公的保険から支払われており、病院側は、公的保険業務を行っている健康保険組合などに治療費を請求しています。

 

 

しかし、実際、健康保険組合への診療報酬の請求や支払いには煩雑な手続きが必要となっており、請求をだしてから、実際に医療機関に支払われるまでの期間は、約2カ月後と、とても長くっています。

 

 

このため資金繰りが厳しい医療機関(病院)は、診療報酬を請求する権利を投資家に販売して現金化することがあります。この請求権を証券化し、小分けにして販売したのがレセプト債です。

 

 

 

あらゆるものを証券化することが可能

 

近年、金融技術の急速な発達にともない、あらゆるものを「証券化」できることが可能になっています。レセプト債以外にも、企業の売掛債権などを証券化したものがありますが、個人投資家向けに小口で販売されるケースは多くありません。

 

 

 

破綻した資産運用会社は、自社で組成したファンド3社を通じて、診療報酬請求権を買い取り、レセプト債を発行、7つの証券会社が投資家に販売していました。投資家にしてみれば、健康保険組合は確実に診療報酬を支払ってくれるはずですから、手堅い投資先ということになりますが、しかしそれはファンドを運用する会社が正しく業務を行って利益を出しているということが前提になります。

 

 

レセプト債の発行総額は約227億円

 

レセプト債の発行総額については、約227億円にものぼっているといわれており、しか

しその大半は償還(投資家に金を返還するこ)されない可能性が高いといわれていま

す。

 

ファンド運営会社については不審な点があるとして証券取引等監視委員会が以前から調査を始めていました。

 

 

また、健康保険組合から支払われるお金は顧客のお金であり、通常同社の自己資金とは

分別管理されていなくてなりません。本来、顧客のものである資金が償還されていないという現状を考えると、破綻の理由 について資産運用会社が別の目的に資金を使い込んでしまったのではないか?との可能性が高いということになります。

 

 

これまで言われてきた通り、レセプト債そのものは安全と言うことかもしれませんが、ただ、それを発行し、管理する資産運用会社が不正を行った場合には、債券の安全性との話とは全く別の話になってしまいます。

 

 

投資家の数は全国で数千人に達するといわれていますから、投資家1人当たり数百万円の投資をしていた計算になります。