m-a-p-s.biz.ニュース

あらゆるジャンルのニュース情報を紹介

谷口ジロー 漫画家  について

谷口ジロー 漫画家 について書いてみました。谷口ジローさんは、『坊っちゃん』の時代」や「孤独のグルメ」などの作品で知られる日本の漫画家です。

 


谷口ジローは、フランスやイタリアなど、海外でも絶大な人気を誇る日本の漫画家!

 

谷口ジローのプロフィール

f:id:mro74277:20170212005604p:plain

本名: 谷口治郎

生年月日:1947年8月14日(69歳)
出身地:鳥取県鳥取市
国籍 : 日本
職業 :漫画家
活動期間: 1971年 ~ 2017年
ジャンル: 青年漫画
受賞 :
第37回小学館漫画賞審査員特別賞(『犬を飼う』)
第12回日本漫画家協会賞優秀賞(『「坊っちゃん」の時代』)
2011年フランス政府芸術文化勲章シュヴァリエ章
 

フランスではアーティストとして高い評価

谷口ジローさんは、1970年代にデビューし、格闘、SF、動物もの、ハードボイルド、文芸など幅広く活動されておられ、国内でもよく知られた漫画家でした。

 

特に『孤独のグルメ』は近年ドラマ化にもなっているため、普段漫画を読まない人も知っているのではないでしょうか。また漫画に関する数々の賞も受賞しています。

 

しかし、私たち日本人はまだまだ、谷口ジローさんの“本当のすごさ”を知りませんでした。それは、氏の受賞歴を見ると、「アングレーム国際漫画祭」「ルッカ・コミックス&ゲームス」などと、ヨーロッパで何度も素晴らしい賞を受賞しており、2011年には「フランス政府芸術文化勲章(シュヴァリエ)」を受賞しています。

 

フランス政府芸術文化勲章とは、芸術や文化の創造・普及面においてフランスや世界に貢献した人に与えられるもので、日本人の受賞も少なくなく、音楽家、画家、俳優などが名を連ねます。漫画家では谷口ジローさんをはじめ、松本零士さん、大友克洋さんらが受勲しています。

 

また実に驚くことには、谷口ジローさんの漫画はフランスを代表するブランド「カルティエ」や「ルイ・ヴィトン」といった高級ブランドの宣伝媒体としても使われており、フランスでは漫画もアートの1ジャンルであり、谷口ジローさんも、詩情あふれる素晴らしいストーリーを描き出すアーティストとして高い評価をされていたのです。

 

2015年1月29日から2月2日にかけて行われた、「アングレーム国際漫画祭」から帰国した谷口ジローさんは、ヨーロッパにおけるご自身の評価について次のように語っています。

 

「未だに信じられないというのが本心。フランスは日本ほど漫画の数も多くなく、1人の漫画家が年に1〜2冊出せればよいというほど。その中で、僕をこのように評価して頂いているのはありがたいことだと思います」

 


フランスの漫画(バンド・デシネと呼ばれる)は、芸術作品として高く評価されており、フランソワ・スクイテン、エンキ・ビラル、メビウスなどの作者は日本でも知られています。谷口ジローさんは、こうした巨匠のバンド・デシネに大きな影響を受け、今の作風を創り上げてきた経緯があり、つまり、自分が学んだ国から、今では高い評価をされるようになったのです。

 

 

衝撃的なバンド・デシネとの出会い

 

まだアシスタントをしていた1970年代、洋書店で、ベルギーやフランスを中心とした地域の漫画「バンド・デシネ」を見て、絵のバリエーションの豊富さ、セリフの多さ、ストーリーがテンポよく動かない、でも読みにくいのも一つの魅力だったと感じ、ちょうどその頃『何か違うものに挑戦したい』と思っていた時期だったそうで衝撃を受けたそうです。

 


しかし、なかなか思うような作品を書くことができなかったそうですが、バンド・デシネのような作品を書きたいとの熱い思いが、ようやく作品として結実したのが、『歩くひと』(モーニングパーティ増刊1990年30号〜1991年47号)でした。

 

 

「ちょうど『坊ちゃんの時代』を連載していた頃で、つきあいのあった編集者から『こういうものが描けるなら、散歩の漫画を描きませんか。自由にやってください』と言ってもらえ作品に取り掛かられました。

 

そして、『歩くひと』を描き始め、そうしていたらひょんなことで、フランスの出版社から翻訳して出版したいという話になったそうで、谷口ジローさん自身が正直、万人に受ける作品ではないと思いながら描いていたこともあり、このオファーには本当に驚いたと言っていたそうです。

 

なぜフランスと繋がったのか

 

当時、講談社とフランスの出版社が協力関係にあり、フランスの漫画家の作品を雑誌に掲載する企画を行っていたのが、フランスに繋がるきっかけになったそうで、


フランスの出版社は『歩くひと』だけでなく、そのほかの作品も高く評価しており、実写映画化された『遥かな町へ』は2002年アングレーム国際漫画祭最優秀脚本賞、優秀書店賞などを受賞するに至っています。

 

日本で連載していた当時はあまり注目されなかった『歩くひと』が、なぜフランスで受けたのでしょうか? まず言えるのは、人物の内面を正確に描写する画風、上品な水彩画のような美しい風景の表現が、芸術作品として高く評価されたためだろうと言われています。

 


漫画の位置づけは、日本の絵本に似ており、美しい絵とあわせて、やや文字の多い物語をじっくりと読む作品が好まれるそうです。

 

「向こうのサイン会に行くと、小さな子供が並んでいるんですね。『何が書かれているのか分かるんですか』と聞くと、『分かります』と。絵本を読むようなもので、じっくりと文章を読んでくれる。テンポ良く読み飛ばしていく、という作品とは違うものとして評価されているのだと思います」と谷口ジローさんは語っています。

 

『歩くひと』では、郊外の一軒家に妻、飼い犬1匹と住まう男が近隣を散歩する、その情景が淡々と描かれており、セリフが一言も出てこない回もあるぐらい、言葉による説明は極限まで省かれています。

 


しかし“行間を読む”と表現すべきか、細密に美しく描き込まれた自然や動物、家々、登場人物の表情やしぐさなどから、じんわりと温かいものが伝わってくる作品です。

 

静かな漫画はアクションより難しい


「こういう漫画は、アクションなどを描くより難しい。登場人物の動きや声で感情を発散できないので、本当に疲れてしまう。長期間にわたって連載をすることはできません」。谷口ジローさん本人がこう説明するように、持てる技と気力をつぎ込んだ作品です。

 

谷口ジローさんは、同じテーマを長期にわたって書き続けるのは苦手だといい「映画を見たり、本を読んだりするなかで、次の構想が湧いてくる。そうすると今やっていることを早く終わらせて、すぐにでも新しいことをやりたくなってしまう性分なのです」と言っています。しかし、「飽きっぽい=いいかげん」というわけでは決してありません。

 

『柳生秘帖〜柳生十兵衛 風の抄〜』は、谷口ジローさんにとって初めての本格時代劇で1992年の作品。『歩くひと』からほとんど間を置かずに描かれたものですが、両者の世界観は全く正反対。

 

『歩くひと』を詩的・文学的な作品と位置づけるなら『柳生秘帖』は完全なるエンターテインメント。壮絶なバイオレンス(殺陣)が、谷口氏の圧倒的な筆力とスピード感あふれる構成で描かれており、そのまま連続ドラマの脚本に使うこともできそうな娯楽大作になっています。

 

フランスの同業者が「怪物」と呼ぶ


『歩くひと』と『柳生秘帖』、この2作品の内容における隔たりは、谷口氏のクリエイションに見られる驚くべき「幅の広さ」を示しています。「飽きっぽさ」とはつまり、未知のモチーフを求め続ける好奇心と向上心に他ならなず、


フランスの同業者たちが谷口ジローさんを「怪物」と呼ぶのは、氏の人間離れした画力と、貪欲に新しい題材に挑み、しかもすべてを一流以上の作品にしてしまう信じ難い創造力に敬意を表してのことなのだそうです。