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<小池百合子知事定例会見録>「ボートは後ろ向きに乗るけれども、でも前に進むよ」 五輪会場見直しで胸中語る?

小池百合子知事定例会見録、「ボートは後ろ向きに乗るけれども、でも前に進むよ」と東京五輪会場見直しの胸中を語る、10月21日午後2時から都庁会見室で行われた「小池百合子知事定例会見録」の一部を抜粋してみました。

会場見直しについて、記者の質問に回答

その1

(記者)

五輪のボート・カヌー会場を長沼ボート場にする可能性が少し低くなっているのではないかという見方もある?
<小池知事>
 「これはもう各テレビ局で既に全部分析された上でのお話だと思いますが、プロジェクトチームの中でも、長沼を推す方もおられます。そしてまた、客観的に見ても、いろいろな利点も挙げられているところであります。ただ、私は、長沼ということが、このプロジェクトチームの方で出てきてから、ようやく復興五輪の原点に今戻りつつあるのではないか、それは思い出されつつあるのではないかと思っておりますので、その意味でも、長沼が手を挙げられてということは、非常に大きな効果が、被災地全体、もしくは復興ということに目が行ったというのは大きな役割を、もう既に果たされている部分もあるのではないかと思うわけであります」「バッハさんは、今回のリオのオリンピックにおいても、難民チームというのを初めて認められました。ですから、オリンピックというのは単にスポーツだけでなくて、政治色を排除と言いつつも、やはり世界全体のことを考えながら進めておられる方だと、こう思います」「そしてまた、難民は、シリアなどの状況から多々出てきてしまっているわけですが、世界中にいろいろな難民の方々が残念ながら多数おられて、それは一種の人災だと思うのです。私は気候変動などで台風などが強靱化している、そして地震、津波、さらにはさまざまな、洪水などによって、世界中に自然災害による、こういう被災した方々というのは本当にたくさんおられるので、ですから、被災地で元気にスポーツができるということは、世界の皆さんからの支援があって初めて、そこまで復興するわけでありますので、そのことを世界に知らしめるという意味で、人災による難民と、自然災害による被災者ということを考えれば、私は結局、メッセージは同じだと思っていて、そのことをバッハさんはご理解いただいているのだろうと思います」「会場についてはこれからの検討ということですが、復興五輪というのが、ようやくここで1周して回ってきて、そしてまた確認されたということは、私はありがたいと思います。それから、コーツ委員長は、もともとボートの選手でいらっしゃいます。私は前から、『ボートは後ろ向きに乗るけれども、でも前に進むよ』と言って、みんな笑うのですけれども、今、いろいろな点検をしながらも、しっかり前に進む、その結論は総合的  に判断したいと思っております」。

その2

(記者)
復興五輪というが、会場の維持管理費がかかる。(長沼がある)宮城県にとっては、長きにわたって税金がかかることになる可能性もある。また、18日のバッハ会長との会談で渡した文書について改めて説明を!
<小池知事>
「まず、長沼ほか、これは会場全てに言えることですが、メンテナンスのコストをどうするのですかということも念頭に入れなければなりません。長沼だけでなく、海の森も、あそこは水位の調整等々、ずっとこれはお金かかるのです。だからメンテナンスのコストは、総じて、どちらにおいてもかかるものであります。基本的には県民の方々が、被災地の方々が、そこを活用することによって、それによるプラスアルファが出てくるということは、これはプラスとマイナスとを考えて判断すべきではないかと思います」「これはオリンピックの会場全てに言えることであります。コストと考えるのか、インベストメントとして考えるのかという、費用なのか投資なのかによって、その返ってくるものというのは計算がいろいろあると思います。日経さんがよく、今、うなずいていただいているのですが、この辺のところをしっかり見きわめていかなければならないと思います」。

その3

(記者)
調査チームは知事も仮設の負担分については、了解しているのではないかという話をしていたが?
<小池知事>
「それは今、申し上げたとおりで、まだ何も進んでいないので、一石を投じることをしたいと、このようにプロジェクトチームの方がおっしゃっておられたのを受けたものであります。いずれにしても、今、まだ10月の、現実には11月1日にこれまで予定されていたのを、どう前倒しできるのか、今、調整中でありますけれども、私はあくまで、その過程において、いろいろなご相談もあります、それはできないのではないですかとか、そういったことについては、私自身、お答えもしております」「そういった形で、これまで経過についても、こういったことはどうだろうかとか、いろいろお話がございますけれども、そういった意味では、私はコミットしているかと思います。ただ、それは、調査の過程の話で、過程というか、流れの中の話であって、基本的には私はそれら、総合的にまとまったのは、これから出てきますので、その上で判断をして、そして、バッハ会長には月内にとお伝えしておりますので、できるだけそのお約束に沿うような形で判断をしていきたいと思っております」「ただ、その中でも、あまり決め打ちされるとどうかといって、その辺のところはIOCとも話を進めていきたいと思います。東京都はこれでと言ったときに、その後、調整がつかないようでは、また振り出しに戻ってしまいますので、そこはしっかりとIOCと連携していきたいと思っております」。

その4

(記者)
仮設費用の分担につきまして、都外の首長などから早く決めてほしいという要望も出ている。分担の決め方、協議の日程など決まっていることはあるか?
<小池知事>
 「これも、IOCを含めての4者協議の日程はこれから、IOCの、こちらでの準備の会議があるので、それに合わせるのかどうなのか、この辺のところも連携を、それぞれと図っていきたいと思っております。それから、他県については、法律上、地方の財政ということにつながってくるわけでありまして、ここは、東京都としてどのような形ができるのか」「そして、いやいや、それは国が持つのか、この辺のところの整理が早急に必要だということは認識しております。その点についても早急に調整をしていきます。まず、東京が、会場について、私が今日か昨日で80日目ですから、これは東京都の都合と言えば都合でありますが、今、ラストチャンスの見直しをしているということで、急がば回れで、しっかりとその辺は中身を詰めていきたいと思っております。可及的速やかに進めなければいけないという認識はきちんと持っております」。

その5

(記者)
五輪の競技会場の整備計画見直しでは、何に比重を置いて判断するのか?
<小池知事>

 「いくつかの金額の多い3つを中心に調査をしていただいているわけであります。そして、その中で、金額というのは大きな要素でございますし、何よりも、レガシーということを言っているということは、すなわちその後、どれぐらい活用されるのですかという点です。それが、もう、あと、ほったらかしになってペンペン草が生えるというような例が海外にもございます」「そういったことから、賢いお金の使い方、ワイズ・スペンディングと言っているのは、そこで東京大会という、1カ月少々のこの期間の盛り上がりがどうかということと、その後もずっと盛り上がって、そして、そこの施設が都民にとって、また、アスリートにとって十分使えるものなのかどうか、そういったことも含めて総合的な判断と申し上げているわけでございます」「ただね、お金をけちればいいというものではないと思っているのです。ですから、新しい技術を、この東京オリンピック・パラリンピックで花開かせるというためには、少々、新しい技術は高くつくかもしれません。しかし、それは、オリンピック・パラリンピックを契機にして、東京大会で使われた技術が、その後、世界に広がっていくというのならば、これは、コストを超えたものがあるのではないか。そういったことも含めて検討してまいりたいと思っております」。

 【小池百合子知事定例会見録】より引用